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9000Jをノックダウンしよう!



こんばんは。

今日は9000Jのノックダウンの仕方について書きます。される方はいないと思いますので私の備忘録です(笑)
9000J_test1.png 

まず9000JというのはSSLのコンソールで4000シリーズの後に出たモデルです。5000とか6000とかありますが4000と9000が有名では無いでしょうか。

4000はかなりノックダウンしてきましたが9000は4000のように各セクションカードになっておりませんのでそのままノックダウンすることが定石のようです。大抵はHA、EQ、DYNセクションのみで他を切り落として19インチに横型にラックマウントするようですがShinya's Studioではそのままノックダウンできるようにケースを設計しました(笑)
http://store.shinya-s-studio.com/ca3/97/p-r-s/

海外で木製のケースに入れてあるものを見ますがやはり木製だと重くなってしまったり、かさばったり、あと放熱の面で心配になります。

ケースは基本的にコンソールと同じく縦型に使用します。スタンドを外せば横にも使えますが文字などが横になりますので使うときに顔を横にしないといけません。

さてコンソールをみるとかなり複雑そうな感じがしますが必要なのは電源とインアウトだけですがこの電源がやっかいです。ピン配置はお調べください。

電源は+18V/-18V/+22V/-25V/+8V/+5V/+48Vの7種類くらい必要です。。。
18Vの両電源は主にオーディオ用オペアンプなどの電源、
+22Vはデジタル系FETのバイアスかな?テストのときにも無いとすごい発熱と思います。
-25VもオーディオのFETスイッチ用に使用します。無いと音が出ません(笑)
+48Vはファンタムです。ファンタムが必要なければなくてもいいです。
+8VはLEDやロジックに使用します。
+5Vも外からロジックをオンするのに使用します。なくてもそれなりに動作しますがRECモードなど指定してやる必要があります。

この中で電流を食うのは18Vの両電源とLEDなど用の+8Vです。
必要な部分だけ使えば少ないのですが今回のようにスモールフェーダーを生かしたりBUS SWを点灯させるにはだいたいモジュール1本につきそれぞれ1Aくらい必要です。
9000シリーズの電源はスイッチング電源ですが今回のノックダウンではシリーズ電源でやります。
シリーズ電源は入出力のドロップに3V程度必要なので2chで約18Wの熱が出ます。
いつも19インチラックでやるときはせいぜい1Wくらいなので18倍のヒートシンクが必要です。。。

ヒートシンクは外に出して巨大なものを3つつけます(+18V/-18V/+8V用)

消費電力は150W予定です。いつもは20W程度なので7〜8倍でしょうか。
150Wというと家電的には多くもなく、少なくもなくという感じで100Wの電球と60Wの電球をつけたくらい?mac mini 2台分くらいかなと。
電源は中に入れる予定ですが20kg程度になる予定です。果たしてこれは発送できるのでしょうか?
専用の分厚い段ボールも設計しないといけません。

また需要があれば気が向いたときに続きを書きます。

9000Jのメーター動きました。



前回のブログから1ヶ月が空いてしまいました。

今回は9000Jのメーターについて書きます。
実は9000Jのチャンネルストリップを購入した時にセットでフェーダーとメーターもついてきたんです。マクドナルドみたいですね(笑)

9000J_11.png 

今Webstoreで販売しているチャンネルストリップにはメーターはつきませんが個人的に動かして見たくなり色々調べて見ました。ちなみにメーター部分の資料は一切ありません、、、
メーターの回路には本家でプログラムされたICが色々載ってそうなので壊すと終わりです。
慎重に分解しながら基板を追ったりして電源ピンっぽいコネクタの配置を調べました。

コネクタは多分molexあたりの3.9mmピッチのやつでメス側はないので、調べるときはワニグチでやってましたが大量にワニグチが必要だったり間違ってショートすると嫌なのでメスコネクターを発注して待っていました。他にもコネクタに使う普段より太めのケーブルやテスト電源にさすためのバナナプラグなども一緒に発注しました。

4000のメーターはSifamのVUメーターかプラズマメーターだったかと思います。
9000の今回のものはLCDメーターというやつで液晶っぽいですがバックライトが光っていて決められたところだけ透けて表示されるという感じです。昔の車のおもちゃを思い出します。

IMG_4069.png 

今日部品が届いてテストして見ましたがすんなりと動きました。電源入れると最初光りますが45secほどディレイが入っているようでそのあとに全部立ち上がります。立ち上がると「あ、ご無沙汰しております」という感じです(笑)
最初はPPMモードでしたが他のコネクタのピンに電圧かけてロジックを切り替えるとVUモードで動きました。縦のVUは不思議です。Protoolsと同じですね。他にもピークホールド、リセット、オーバーロードやRec/Mixモードの表示とかできたかと思います。

ただそもそもこれをハードウェアで必要かと言われたらもうそうでもないかなと思います。それこそコンソールには必要だと思いますがVUメーターと違ってピークメーターは個人宅にはDAWのメーターでいいかなと思います。製品にするのにもケースや電源、8chインプットと必要ならばスルーアウトなど。お金もかかるのでお蔵入りかなと思います。製品として欲しい方はご相談ください。

おすすめのiPhoneアプリ



今回はおすすめのiPhoneアプリをご紹介します(笑)
今回のターゲットというかアプリをお勧めする層は主に電子工作をされている方です。

job_handa_duke.png

名前は「Electronic TB」です。TBはトークバックではなくツールボックスです。
https://itunes.apple.com/us/app/electronic-toolbox-pro/id339158729?mt=8

このアプリは電子工作で必要な計算などを割と簡単に行ってくれます。僕が買った時は「Electronic TB」という名前で数ドルだったですが今はProとついて800円くらいになっていますね。機能は同じではと思います。800円でも購入する価値はあると思います。プラグインに比べたらかなり安いです。課金などはあまりし無い僕ですがこれだけは買いました(笑)

機能はたくさんありますがよく使っているのは数種類です、、

1、抵抗、コンデンサなどの表示
抵抗のカラーコードやコンデンサの数字を読むのに色とか数字を入れると値がすぐに出てきます。
暗算?でもできなくはないですが間違いが減ります。

2、LEDや3端子レギュレーター、RCフィルターなどの必要な値を入れるとその他の情報が出る。
例えばRCフィルターで周波数とR(抵抗)をいれればC(コンデンサ)の値が出るしそれを入れ替えることもできます。
3端子なども必要な電圧と抵抗2つのどれかを指定してあげればその他の欲しい情報がでます。

あと抵抗の並列やコンデンサの直列の計算もすぐできます。

3、dB系の変換
dB系の変換ができます。例えば+4dBuは何Vだっけみたいなことです。RMSとP-Pの変換もできるのでP-Pが5Vのサイン波は何Vrmsで何dBuみたいなのが簡単に計算できます。
ちなみに商用電源の100VはRMSですのでVp-p(波形の山から谷まで)は282,84Vです。感電したら282,84Vp-pとなります(笑)

4、周波数の計算など
波長が何uSecだと何kHzなんだろうみたいなやつができます。あとiPhoneなのであれですが一応SG(シグナルジェネレーター)もついています。オシロスコープも付いていますがSG同様ちゃんとしたのがあるので使っていません。

5、オームの法則
これこそ電卓でできますがアプリの方が手順が数回へります。楽です。
抵抗、電圧、電流、電力の4つのうち2つ指定すると他の2つが出てきます。これを使うのは抵抗の耐圧計算のときとかでしょうか。LEDで電流制限抵抗を使うときなどに1/4Wでどこまでいけるのかみたいなものができます。

面倒なのでざっくりと書きましたがかなりおすすめです。ただ僕が知ら無いだけで無料でいいアプリが出ているかもしれませんので他にもおすすめのアプリがあれば教えてくださいー。

スピーカーの改造



久しぶりにDIYの話題です。

家のリビングのテレビ用にDENONの安めのスピーカーを置いているのですが割とハイが大人しめでローはすっごい出ます(笑)60Hzくらいにピークがあるんじゃないかというくらい、たまにテレビに入っているローでむわっとします。

もともとテレビのアウトをオプティカルで出してMOTU896mk3で受けて強めにコンプをしてEQをしてアンプに入れていました(アンプにはEQがついていません、、、)。コンプはCMなんかで音量が変わらないようにするためで、特に洋画は音が小さいので金曜ロードショーとかの洋画を字幕で見てたりして合間のCMで爆音になるなどの対処にはなります。EQは前述の通りハイが大人しいので割とハイ上げ目でローはHPFで80Hzくらいまで切っています。

もちろんこれはスピーカーのセッティングをした上での話でバスレフをスポンジで塞いで見たり10円玉のインシュレーターを置いてみたりしましたが限界だったのです。

アンプはONKYOで良くある安めのコンポみたいなやつでCD/MDプレーヤーとラジオチューナーが付いていますが、先日急にラジオが聞きたくなって初めてこの環境で聞いたのですが割とモコモコでした。アンプ内蔵のラジオチューナーなのでEQは通ってないからなのですがこれはEQよりスピーカーを変えたほうがいいなと思うようになり、スピーカーをバラしてみました。

スピーカーは2wayでもちろんパッシブなので中はユニットとネットワークのみです。オーディオマニアの方などはここで部品を変えたり吸音材の変更などをするのでしょうが、変化は微々たるものでめんどくさいのでネットワークの回路を追ってみるとツイーター側のネットワークに直列に3Ω5Wのセメント抵抗が入っているのが分かりました。試しにこれをRchだけバイパスして音楽を聞いてみると明らかにRchだけシャッキシャキです(笑)バイパス方法は部品が全て専用の接着剤で基板に固定されていたので外さす、抵抗の両端にケーブルを半田付けしました。戻すときもケーブルを取るだけで済みます。ちなみに材料はShinya's Studio御用達ベルデンとNASA公認の半田です(笑)5cmくらいなので事故がなければ何でもいいのですが。。。

Lchも同様にバイパスしてみるとシャッキシャキでハイハットだけ爆音になっています(笑)ただ、現状MOTUのEQが入っているのでハイを上げているEQをフラットにしてみたのですがまだ若干硬い印象です。しかし音楽を聴く分にはだめですがほぼテレビ用なので割と固めでいいかなと思いこの状態をデフォルトにすることにしました。

10円玉のインシュレーターは無いほうがよさそうで、ローは変わっていないのでEQのHPFはあり、バスレフのスポンジもありです。ちなみにスポンジは買うのがめんどくさかったので掃除用のメラミンスポンジを突っ込んでいます(笑)

10Mとかは環境によっては逆にツイーターに抵抗を入れたほうがいいかもしれませんね。3Ωだとかなり変わるので1Ωとかちょっと値はわかりませんが。ちなみにスタジオで使う場合は爆音になることも考慮してかなり大きな耐圧の抵抗が必要だと思います。今回の抵抗はネットワーク前に入っていましたがローカット後に入れれば100Wもいらないんじゃ無いかと思いますが注意してください!

可変抵抗のAカーブの話



今回は珍しく電子部品の話です。

みなさん可変抵抗のAカーブをご存知でしょうか。

そんなもん知ってるよ。と、思われる方もこのブログで驚きの事実を得られるかもしれません。
ちなみにまだShinya's Studio的には研究段階の部分もあるので間違っているところがあれば訂正お願いします(笑)
ちなみにこの記事は長文で驚きの事実は最後にでてきます(笑)

可変抵抗というのは抵抗の一種で連続して抵抗値を変えられる電子部品です。よくレコーディング機器とかでも目にするグリグリ回すあれです。1176で言えばインプットボリュームなどを変えるあれです。ちなみにたまに「つまみの調子が悪い」という方がいらっしゃいますが調子が悪いのはつまみではなくつまみを支えている可変抵抗です。

IMG_2738.jpg


そしてこの可変抵抗は大抵3つの端子があり、その端子を1,2,3とすれば1-3間はその可変抵抗の最大値。2は他の2端子間を動くので最大値内で好きな抵抗値が得られます。説明がややこしくてすみません(笑)
pot.png

ただこの可変抵抗を動かしたときに抵抗値がどう変わるかというのが重要で、その用途により主に3種類に分類されます。
それは可変抵抗を均一に回したときに
1、対数的に変化する
2、直線的に変化する
3、対数と逆に変化する
という3種類です。

この対数(Logとも言います)というのはフェーダーとかVUだとわかりやすいでしょうか。
VUの目盛りは-20,-10,-7など実際の幅と数値が一致しません。でも人間の耳としては対数の方が馴染みやすく音量に関する部分には対数カーブが使われます(回路のインピーダンスによってカーブが変わるので対数カーブを使えばいいというものでもありません)。直線カーブは主に音響機器ではコンプのコントロールとかEQのゲインもそうです。逆対数も主に音量に使うものですが抵抗に反比例して音量が変わるときによく使われます(負帰還の中の抵抗とかでしょうか)。

で、やっと本題ですがAカーブというのをご存知でしょうか。このAカーブ、対数カーブでしょと思った方はちょっと違います。対数変化がAカーブ、直線がBカーブ、逆対数変化がCカーブと一般的にはご存知の方もいらっしゃるかと思いますがAカーブというのはJISで決められたものでつまり日本の中の話のようです(アジア圏でも使われているところがあります)。日頃使ってるNeve、API、SSLは欧米ですね?使われている部品が欧米製か分かりませんが回路図はその国で書かれていますので、ものによってはAカーブが直線を意味するときもあります。SSLなんかはLogと書かれているので何カーブかは別に対数だとわかります。逆対数はアンチログとかです。

さらに対数カーブというものがどういうものかご存知でしょうか。これも引っ掛けですが実際にはかなり種類があります。アジア圏では15Aというものが主流で可変抵抗を半分(50%)回したときに抵抗値が15%になるというものです。欧米ではJISで言う10Aというものが主流で半分回したときに10%になります。全抵抗値が10kΩなら約1kΩですね。ちなみにメーカーによっては20A(半分回したときに抵抗値が20%)が標準というのもあります。

さらにこの対数カーブは各社の腕の見せ所で50%回したときの値しか決まりがないのでその他の抵抗値は各社バラバラなのです、、、

pot-curve.png

グラフはtocos、alps、bourns、TT、PEC、AB、Alpha、CTS等有名メーカーの対数カーブの可変抵抗をShinya's Studioで測定したものですが全く違います(笑)どれがどのメーカーなのかは秘密です(笑)

実際このカーブは主に3つの直線からなるものが多いのですが安いメーカーだと2つの直線でできているものもあり注意して使わないと回路によっては違和感がでてきます。

で、何が言いたいのかというとAカーブが必ずしも対数ではないということと対数カーブが必ずしも同じでないということです。特に機材においてつまみの位置で記憶しているもの(1176とかですね)の部品を変更する場合、国をまたいだりメーカーを変えるときは注意が必要ということです。

Shinya's Studioはもちろんそこにもこだわっています。