連続可変とステップ式の機材は何が違う?
おはようございます。もう11月ですね。早いです。今年はInter BEEに久しぶりに参戦します。もちろん出展ではないです(笑)
さて今回は「連続可変とステップ式の機材は何が違う」かの記事です。最近ステップ式についてのお問い合わせをいただく機会が増えました。そこでその違いを書きます。価格の話も入れます。
まず今回の記事は「抵抗値を切り替えている部分の話」というのが大前提です。回路の中にはコンデンサーやその他回路自体などを切り替えている場合もあります。
連続可変とステップ式の違いですが、まず機材のつまみの後ろには電子部品が必ずくっついています。
連続可変の場合は可変抵抗という可変できる抵抗器が付いておりそれを回すことで抵抗値が変わります。
それに対し、ステップ式はロータリースイッチというスイッチがついておりそこに抵抗器などを半田付けして切り替えることで抵抗値を切り替えます。
というわけでまず部品が違うわけです。
可変抵抗からスイッチへの変更は可能な場合がありますがステップ数によってかなり価格が変わってきます。可変抵抗自体の価格は500円〜2,000円程度が一般的ですが、ロータリースイッチはステップ数と回路数によってかなり変わります。
ステップ数は大体1step36度、30度、15度、とありますが一般的な30度で最大12Stepまで(360÷30)、その他24、48までとなります。48Stepまで行くと1万円以上、2回路以上では数万円となる場合があります。
さらにこれは部品代のみの話で可変抵抗はもともと抵抗ですが、スイッチは切り替えるのみなので抵抗を半田付けしないといけません。抵抗は都度選別し、48stepだと最低48箇所、2回路だとその倍となり工賃もかなり上がります。Bカーブだと同じ抵抗をつければいいですがlog系だと抵抗をそれぞれ変えないといけません。
中には可変抵抗にクリック感がついているだけのものもあります。こちらは安い(可変抵抗+α)ですが可変抵抗並みの誤差が出ますのであまり変更する意味はないかなと思います。これの一番メジャーなのがEQのゲインセクションでよくあるセンタークリック(真ん中のゼロの時にクリック感があるもの)です。
ロータリースイッチによるステップ式の良さは色々とありますが、カーブをどんなものでも作ることができるということだと思います。可変抵抗はJISで言うA、B、Cカーブなど色々ありますが回路によってAでもえぐったほうがいいとかBに近いほうがいいとか、定数によって計算である程度カーブの理想が出ますのでステップ式だと理想に近づけられます。
上記の金額は1箇所ですのでステレオで数カ所となるとかなり高額になりますがこのような感じです!