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1U76と1U78の違いを調査した件



最近FacebookやTwitterで直接書くことが多くなってきてブログの更新が減ってしまっています。SNSのほうがかなり楽なのでそちらに逃げてしまっていますが長文では読みづらいので長くなるときは今後もこちらに書く予定です。

で、今回はShinya's Studioの主力選手でもある1U76と1U78の違いについてです。
この議題は度々話題になってきましたがこのページをWebStoreに貼り付ける専用ページにする予定ですので正しく検証していきます。


入力段途中回路出力回路出力段ch数
1U76トランス入力ディスクリートディスクリートA級トランス出力1ch
1U78電子バランス入力オペアンプ ディスクリートAB級トランス出力2ch

です。いかがでしょうか。
ちなみに上記内容は事実を書いているだけですのでディスクリートがいいとかB級が悪いとかは一概に言えません。

レシオも1U76は2,4,8,20:1ですが1U78は回路の都合上4:1より小さくできないのでオリジナルのまま4,8,12,20:1となっていますが若干ナチュラル目に作っていますので1U76と同様に使っていただけると思います。

アタックタイムとリリースタイムは1U76はオリジナルと同様アタックタイムが20~800uSec、リリースタイムが50m~1.1Secです。1U78もオリジナルは同じですがShinya's Studio製は使いやすいようアタックタイムの最遅を2倍の20~1600uSec、リリースタイムの最遅を1/5の50m~220mSecにしています。

そしてコンプレッションに使っている部品も違います。1U76は普通の3本足の見た目のFETに対し、1U78は見た目は6本足ですが中にマッチングされたFETが2つ入っていてステレオで使えるようになっています。(これはオリジナルも同様です)。

コンプレッションをかけた時の周波数特性の違いも検証しました。

1U76 アタック最遅、リリース最速で5dBかけた場合
1U76_5dB.png


1U78 アタック最遅、リリース最速で5dBかけた場合
1U78_5dB.png

1U78 アタック中間、リリース最速(どちらも1U76と同じ値)で5dBかけた場合
1U78-2_5dB.png

いかがでしょうか。Q-Cloneはスイープではないためコンプなどタイム感があるものは見方が難しいですが違うのはわかるかと思います。全体的に低域が増えているように見えますがこれはコンプがかかってから測定されるまで間に合っていないためで低域がコンプされていないわけではないです。
最後に音の印象ですがこれは意外と皆さん分かれると思います。なのであまり自分では言いたくないのですが1U76はタイム的にはバシっとしつつ、ナチュラルというか太めな印象、1U78はタイム的にヌルッとしつつオペアンプ特有のザラッと感がありつつ明るい印象です。これはいつも歌で1U76を使っていて、その日空いていなかったので1U78で代用した時の印象です。AB比較で切り替えよりも案外そういった比較のほうがわかりやすい気がします。

ということでいかがだったでしょうか。1U76を2つにしたものが1U78と思われがちですが(オリジナルも同様)結構違いますw
1176もRev.Hまでくれば割と回路的にも1U78に似てくるのですが1U76は一番人気があるビンテージのRev.Dを基にしていますので違いがでてきます。

上記を参考に使い分けていただければと思いますが、基本的に歌以外はどちらもありかなと思っています。歌はその時の歌い手さんやマイクやその他機材で1U76、1U78を使い分けていただければと思います。

長文となりましたが最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
2022/6更新

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